ドライアイとは
ドライアイとは、涙の量が少なかったり、涙の層の安定性が低下したりすることで、眼の乾燥、疲れ目などの症状が引き起こされる病気です。角膜が傷つきやすい状態であり、炎症や潰瘍が起こることもあります。
ドライアイの症状チェック
症状セルフチェック
- 眼の乾燥
- 眼の痛み、かゆみ
- 眼の充血
- 疲れ目
- まぶしさ
- 眼の重い感じ
- ゴロゴロとした異物感
- かすみ目
- 目やに
- 涙があふれる
10秒チェック
一度閉じた眼を開き、10秒以内にまばたきをしてしまう場合には、ドライアイの可能性が高くなります。まずは一度、ご相談ください。
ドライアイの原因
空気の乾燥
コップの水と同じように、涙も眼の表面から徐々に蒸発していきます。湿度の低い冬期など、空気が乾燥していると涙が蒸発しやすく、その量が不足しがちです。
まばたきが不十分
普段あまり意識しませんが、私たちは平均3秒に1回、まばたきをしています。まばたきをすることで、眼の表面に涙が行き渡り、涙の層を形成します。しかし、モニターや作業に集中している時には、無意識にまばたきの回数が減少し、涙が行き渡らない・正しく層が形成されないことから、ドライアイの症状が出やすくなります。
コンタクトレンズの装用
コンタクトレンズを装用している人は、涙の量が減少したり、まばたきの邪魔になったりすることで、ドライアイが引き起こされることがあります。コンタクトレンズの汚れや傷が原因になることもあります。
マイボーム腺の詰まり
涙の油の層を分泌するマイボーム腺が何らかの原因によって詰まると、眼の表面で涙の層が正しく形成されず、ドライアイの原因になることがあります。
アレルギー性結膜炎
花粉やハウスダストによるアレルギー結膜炎によって、ドライアイが引き起こされることもあります。
シェーグレン症候群
重度のドライアイを合併しやすい、免疫の異常に関連した病気です。口・鼻・眼の乾燥、関節痛などの症状が見られます。
ドライアイの検査方法
視力検査
ドライアイに伴う視機能への影響、ドライアイ以外の病気の有無などを確認するため、視力検査を行います。
細隙灯顕微鏡検査
フルオレセインという試薬を点眼し、角膜の傷の有無、涙の質などを調べます。
BUT検査
眼を閉じた状態から開き、涙の膜が均一でなくなるまでの時間を測る検査です。5秒以下で涙の膜の一部がなくなる場合、ドライアイの疑いが強まります。
シルマー検査
目盛りの入った薄い紙を下まぶたに挟み、5分間で目盛りのどこまで濡れるかを調べます。涙の分泌量が分かります。5mm以下の場合、ドライアイの疑いが強まります。
ドライアイの治療方法
ドライアイは、治療が必要な病気です。主に、以下のような治療を行います。
点眼治療
人工涙液、水分・粘液を増やす点眼薬などを使用します。涙の質と量を改善することで、症状の軽減を図ります。
まぶた洗浄
マイボーム腺のあるまぶたの縁を洗浄することで、油層の分泌を促し、ドライアイの症状の改善を図ります。主に、マイボーム腺機能不全がある症例が対象となります。
温罨法
マイボーム腺機能不全がある症例に対して行います。マイボーム腺を温めることで、油層の分泌を促し、症状の改善を図ります。
市販されている温めシート、カイロなどを使って温めます。
ドライアイの対策
日常生活で行えるドライアイ対策としては、以下のようなものがあります。
- 加湿器などで部屋を加湿する、エアコンの風が直接あたらない位置で過ごす
- スマホやモニターを見つめるパソコン作業の時、映画を観る時など、意識的にまばたきを増やす
- 画面を見る時間を短くする、休憩を挟む、動画などは大きなモニターで距離をとって観る
- コンタクトレンズの装用時間を短くする、コンタクトレンズをやめて眼鏡で過ごす
- アレルギー結膜炎、シェーグレン症候群などの他の疾患が原因になっていることもあります。上記の対策を講じても改善しないという場合には、眼科を受診してください。

